引率ガイドとして最も大切なのは「安全」
本日はレスキュー訓練:リスクマネジメント5日目
昨日の午後に続き本日も朝から夕方までみっちりレスキュー訓練を行いました
西表島アドベンチャーツアー海歩人は、A-0コースやE-0コースに含まれる初級ケイビングで行く「クーラ洞窟」やA-3コースやE-2コースに含まれる超本格ケイビングで行く「ユツン洞窟」
そしてリピーター限定での開催となる石垣島での超大規模洞窟でのスーパーケイビングと年間を通じ洞窟に行くことが多いのです
ちなみに引率ガイドは(社)日本ケイビング連盟西表島支部に所属するプロの洞窟ガイドです
ツアーでは
洞窟探検の魅力を伝えるのが仕事ですが、
引率ガイドとして最も大切なのは「安全」
いかにゲストの安全と安心を提供できるかにあります
そこで欠かすことのできないスキルに「万が一」を想定したレスキュー訓練、しかも西表島は消防署もなく携帯電話の電波状態も悪い、しかも洞窟は地上とは違いそもそも電波が届かない
しかも万が一の時に助けを呼ぶにしても、洞窟と言うかなり特殊な環境であるが故に助けに来れる人も限られてしまう
きっと実際の現場では西表島支部の2人んだけになる可能性が非常に高い
「そうなったらどうする?」
そんな不安を少しでも解決しておくことがガイド自身の心の安心感に繋がり落ち着いたガイディングやツアー進行に繋がるし、起こさない為の工夫につながるのと信じています
西表島支部は少なくても1年に2回は実際のツアー洞窟を使い実践的なレスキュー訓練を重ねております

今回は午前中の室内訓練と屋外で模擬訓練をしっかりと行い
今、西表島支部が訓練のメインしているミニマムな横穴(高低差あり)搬送訓練です
このレスキュー方法が身につけば洞窟はもとより沢ツアーやキャニオニングツアーエリアのレスキューにも応用できるので訓練の意味も大きいです
今回の条件は
□ 西表島支部 が常時装備している縦穴レスキューキットを使用
□ その他レスキュアー2人分のSRTギア一式
□ レスキュアーは西表島支部の2人
□ ビクティムは1人(今回は45Kgの砂袋)
□ 意識はあるが歩行は不可、脊損の疑いあり
□ 早急な搬出が必要
□ 洞窟内に応援のレスキュアーは来ない
□ 洞口付近までに2人で搬送
□ 支点はナチュラルアンカーのみ
□ ボルトの打設は行わない
□ レスキューエリアは
□ もっとも足場が悪く安定したストレッチャー搬送が出来ない場所

今日の搬送エリアは今まで実践的な訓練では使用したことが無い部分、ツアー時でさえ歩くだけでも両手が必要なほど足場が悪く高いところでは1M〜2.5M以上の高低差ランダムに続く
ツアー中 ガイドが最もピリピリする 不安定要素の大きいエリアです

実際この 洞窟 に初めて来た救助サポート者ではストレッチャーを担ぐ以前に歩くことさえやっとな場所なので、搬送は2人で万が一手が滑ったり足が滑ってもストレッチャーが転落したりバランスを崩すことが無い事が条件となるので
セイフティーラインを張り込み、半分担いで半分滑らせストレッチャーを移動させる方式を採用しました

あまり専門的な内容を書いても理解されにくいので詳しくは書きませんが
支部メンバー2人でかなり余裕に搬送できることを確認しました、まだまだ煮詰めなければならない部分はありますが、支点ポイントがしっかり確立され資機材の必要数など細かな事が確立出来ればシステム構築はものの数分で終わることも確認

今後の訓練に繋がる大きな収穫となりました
安全に終わりなし
リスクマネジメントに終わりなし
今日のビールは格別に美味しく感じました