(社)日本ケイビングガイド協会:ガイド講習会in西表島
私が以前から所属する(社)日本ケイビングガイド協会の会長であり日本屈指の洞窟探検家でもある「吉田 勝次」氏を招いてのケイビングガイド講習会が再びこの西表島で開催する事になりスッタフを含め所属するIOSRの有志メンバーが参加する事ができました
日時:2016年5月18日〜21日
目次
内容:ケイビングガイド育成講習&レスキュー訓練
講師:吉田勝次(洞窟探検家)(日本ケイビングガイド協会:会長)(ケイビングツアーちゃお)
参加者:中川隆行(adventure tour Umiacchar)(IOSRメンバー)
参加者:林 学(adventure tour Umiacchar)(IOSRメンバー)
参加者:桑原 絵(iriomote jungle tour Yukuru)(IOSRメンバー)
参加者:岡 弘幸(iriomote PolePole)(IOSRメンバー)
室内講習場所:Umiacchar office&bouldering MayaRock
実は、かなり以前よりオファーを送り続けていたのですが….これがなかなか難しく…
講師の吉田勝次氏は、年間を通じ各都道府県での講習会開催や本業でもある洞窟探検の為に長期わたる海外遠征や国内遠征、メディアの取材やロケ協力、主催する「ケイビングツアーちゃお」などなど信じられないほど多忙で時間を作って頂くのは至難の技…
今回は吉田氏(以降は隊長)の国内遠征活動のタイミグがうまく重なりそうだった為
、遠征日程を調整した頂き西表島で4日間にもわたるボリューム大きい講習会となりました。
隊長来島が急遽決まった後,講習会がより良い内容になる事と隊長の負担を減らす為にも講習会を受講するチーム全員が仕事終わりや、オフ日を全て費やしSRTの基本トレーニングを体に刷り込ませるために地道にトレーニングを積んで臨みました。
とにかく今回はSRTが出来ないとどうにもならない内容ばかりなので、みんな真剣です。
ただ……一体どんな内容の講習内容になるのかは隊長が決める事なのでドキドキでした
前日の夕方に石垣空港まで出向き大量の資機材と隊長をピックアップ、翌朝の船で西表島へ
そのまま海歩人の事務所へ向かい講習開始~♪
1日目 AM ORRT(オンロープレスキュー)
本来こんな高度で体力が必要な内容にはならないのですが、数年前私が愛知にあるケイビング協会へ出向きトレーニングをして頂いた時に、100%の理解が出来ないまま時間切れになった内容だったので、無理を言って隊長にお願いしました
基本的なSRTはメンバー全員ほぼほぼ出来るようになっていたのでなんとか4人が代わる代わる体力と精神力が続くまでトレーニングを続けることができました(マジ キツかったぁ….)
とにかく全ては反復練習しかありませんね
1日目(曇り時々晴れ) PM フィールドワークとレスキュー
緊張と緩和を巧みに使いこなし講習を進める講師、トークと立ち振る舞いにただただ魅了されていきます〜〜
ツアーフィールドで使用している洞窟へ移動して実践的な講義とレスキュー、安全管理に関するトレーニング、エンターテイメント性に富んだガイディングの手法など詳しい明細を文章で書くことは難しいですが、実際にツアーで使用しているフィールドで講習なので身に入るスピートも格段に速いです、
そして今までメンバーで何度も何度も話し合ってきた洞窟でのレスキュー体制の確立やシステムの構築なども隊長からの的確なアドバイスのおかげで今後やらなければならない事柄の優先順位が明確になりました
受講生の緊張を程よく緩和する「度が過ぎる悪ふざけ」と「いじり」のテクニックは神の領域〜〜〜♪ 今回は写真掲載を割愛しました/笑
ツアー中もそうなのですが、洞窟という闇の閉鎖的な狭小空間は極度の緊張とストレスが大きくなります、一旦スイッチが入ってしまいパニックになるとそれこそ収拾がつかない最悪の事態にもなりかねません、そんな空間でゲストを楽しませ安全にツアーを行う為のガイディングスキルを核を学んだ気がします
2日目(曇り時々晴れ) AM SRT(シングルロープテクニック)によるORRT(オンロープレスキュー) &荷上げ(カウンターウエイト)など実践的なシステム構築
とにかくORRTは毎反復練習あるのみ!頭で理解するより体が勝手に動くまでただただ回数をこなす、そして前日の絶望的な「死の絡み」はなくなある程度スムーズに動けるようになってきました
その後は、さらに実践的な荷上げ方法やシステム作りなど……体力と頭脳をすり減らしました….
ただこの時点で私たちはまだ気付いておりませんでした、午後からの人類未踏へ足を踏み入れる「魂が震えるガチの探検の世界」が待っていようとは
2日目(曇り時々晴れ) PM 新洞探検&調査 某洞窟(場所は非公開といたします)
いよいよ、人類未踏の世界へ足を踏み入れます
探検終了後に「こんなガチの探検になるとはねぇ〜 西表島はプライズの島だね〜」と笑顔の隊長…..この人がいなければ戻ってこれませんでした/💦
おそらく西表島で唯一SRTで入洞する洞窟なのかも〜〜このポイントを見つけるまでにどれだけの時間ジャングルを調査したことか……..数け月の苦労が報われた瞬間
ここが究極の難所…今思い返しても息が詰まる時間でした〜 特にメンバーの中で一番でかい私には……
写真を撮影する心の余裕がありませんでした
A3サイズくらいしか隙間の見えない空間に突撃しルートを探す隊長
他のメンバーは待機
「ぐふぅっ……」などなど暗く狭い空間の奥から言葉にならない隊長の呻き声…..
メンバー全員:「やっぱりこの先はないね〜」時間的にもちょうどいんじゃないの〜なんて…………
隊長:「おっけぇ〜〜〜〜〜〜♪ 抜けるよ〜〜〜〜おいでぇぇ〜〜〜」
あまりの声の優しさに、狭く見えるのは入り口だけで、実はこの先にスーパーでっかい空間あるんじゃないの???〜
メンバー全員:「おお〜っ 見た目が狭いだけじゃ〜ん 探検開始〜〜!!」
意気揚々と頭から入ろうとした時に
隊長:ダメ……足から来て
私:足から…….
って事は…..
「やっぱ劇狭〜〜〜!!!」「全然OKじゃないしぃ〜〜」
白髪増えた〜〜〜〜涙
隊長:「君が抜けれたから全員いけるね〜 この先も行くよ〜〜」
試しだったのか〜〜〜〜涙 ほんとヤバかった…….
その先も探検は続きます
何より一歩一歩進むその空間が人類未踏の世界であることに魂が震えっぱなしです
その後も幾度となく
隊長:「おっけぇ〜〜〜〜〜〜♪ 抜けるよ〜〜〜〜おいでぇぇ〜〜〜」
メンバー:「おお〜っ 見た目が狭いだけじゃ〜ん 探検開始〜〜!!」
「全然OKじゃないしーーーーーーーーーーーーマジか……….」
西表島では珍しい水潜りポイントで一気にクールダウン
gopro3+を失くしたくせに変顔だけは忘れないスタッフHayashi
メンバーで一番小柄なMr.kai余裕の表情です
メンバー1細身で狭小空間も余裕のすり抜けMr.Oka
未踏であるが故その先がどうなっているかわからない空間を冷静な判断とゴルゴ13的洞察力でメンバー全員が抜けられるルートを探す隊長
「おっけぇ〜〜〜〜〜〜♪ 抜けるよ〜〜〜〜おいでぇぇ〜〜〜」だけは
信じてはいけません
全然Okじゃないですから〜 笑
鋼のような精神力と神の領域のイタズラ心 見習うべき?事柄が沢山あります???笑
隊長言わくケイビングが持つ魅力の全てがコンパクトに詰まったサプライズ洞窟なのですがルートがかなり難しく上級者しか通り抜けられないルートや水潜り、雨による短時間での増水が頻繁に起こる事、不測の事態が起こるとレスキューが困難である事、そして洞窟内に大量に住み着くコウモリの保護の観念から今後の入洞は控え封印する事となりました
3日目(曇り時々晴れ) AM&PM:チロリアンブリッジによるレスキュー訓練
花粉のない島で何故か花粉症の隊長
しかも地上で出てくると急に体調不良になります……..笑
今回の講習会で最も頭の中にたたき込まなければならない情報が多いボリューム大きなトレーニングとなりました
原則的にSRTで必要な最小限の資機材で行える事、可能な限りシンプルである事、スピードが速く尚且つ安全である事、ロープレスキュー技術の最高望でもあるレスキュー3のTRR-Tとまた全然違う技術が盛りだくさんでした。西表島をフィールドに活動する我々が目指すべきレスキューの形を見つけた素晴らしい講義内容
4日目(曇り時々雨) 座学(洞穴学:水文学:地質学:考古学:生物学)
4日間にも及んだ今回のケイビングガイド講習会も無事終了しスタッフを始めIOSR有志メンバー全員(社)日本ケイビングガイド協会よりガイド認定を頂ける運びとなりました
多忙中島に来島して頂いた隊長に感謝感謝の4日間 本当にありがとうございました。
2日目のガチ探検でようやく見つけたルートで海へ抜け記念撮影〜〜〜〜♪
全てから解放された達成感と充実感に高揚感なんとも言えない素晴らしい瞬間………でもこの後
「やっぱ 同じルートで戻ろうかぁ〜」
「陸上ルートより早いし暑くないから」
「やっぱ そうなるのねぇ………..あの難所をまた抜けるのか………」
最後に
今回の新洞探検は、ガチの探検活動となり、私たちだけでは技量や場数の少なさゆえ決して得られない感動と興奮を味あわせて頂けました。隊長がいたからこそ人類未踏の世界に人間として始めて足を踏み入れた時の「魂が震えるワクワクとドキドキ」かなりヤバイですね~
地球最後のアドベンチャーこそケイビングである!事を改めて実感しました
次回の沖縄方面の遠征に同行し足手まといにならぬよにこれからも日々トレーニングに磨きをかけることにします。